Deep Breath

楽しさとは何なのか?

価値

ここ数日は1日過ぎてから、前の日を振り返る感じでこの日記を書いているんですけど、本当はその日のうちに書いてしまいたいと思っています。昨日はとても調子が良く、午前中のうちにペーパーを書いて、来週の課題を終わらせることができたで、午後は再来週から始まる期末試験の勉強を少ししてから、息抜き程度に1時間ほど散歩をして、夜には、日本人留学生を中心とした送別会があったので、行ってきました。
 
散歩をしている時に、とある雑貨屋に行って素敵な20cm四方くらいの小さな絵を見つけたのですが、それの値段が45ドルくらいすることに驚きました。この前の冬休みに同じ大きさの絵をプラハで見かけた時には、だいたい20ドルくらいの値段でしたので、とても良い感じのものでしたが、その時の価格と比較するとなかなか買いたいと思えませんでした。ここで、僕が買いたいと思わなかったのは、この値段であるからということ、もう少し詳しく説明するならば、このくらいの値段なら大体20ドルくらいであろうという基準が僕の中に出来上がってしまっているというほか理由がありません。
 
価値についての基準設定が難しいと思うのは、安くすぎても高すぎてもダメであるということだと思います。自分の中での基準がとても安く、審美眼を持たない、もしくは絵を買えればなんでも良いという場合、40ドルという値段は高いし、逆に40ドルくらい出さなければ良いものは買えないと思い込んだり、お店の人に言われて説得されたりということもありえます。
 
あなたが消費者側の時、妥当な値段で物を買いたいと思ったら、まずはそのものにどれだけの労力がかかるのか(マルクスでいう労働価値)をきちんと理解することが大事だと思います。また、これを知る上で大切なのは、賢い消費者として何にどれくらい値段かをあらかじめ知っておく必要がありますよね。

さらに労働価値と同じくらい大事なことなのですが、労力がかかっていても、市場的には価値がないもの、すなわち、需要が供給を大きく下回る場合があります。この場合、お店はものを買ってもらうように、市場の需要に合わせて値段を決定していきます。(市場価値)元をたどれば、売買というのは価格交渉がつきものであり、妥当な市場価値は、売り手と買い手の交渉によって決定づけられていたのですが、いちいち値段を交渉していると時間がかかってしまう理由もあり、大手のコンビニやスーパーでこのような価格交渉をする人をあまり喜ばれなかったのですが、最近では、逆に他店やネットの販売店との値段を消費者が比べ、そちらの方が安かった場合、販売店の独断で値段を下げるという交渉も見られますよね。
 
ということで、妥当な値段かどうか判断するためには、労働価値と市場価値をよく理解しておくことが大切になります。

↑マルクスの入門書としてはこれが一番オススメです。

 
<補足>
現代社会では、物質的なモノに限定せずに、情報という実体性がないものが売られる社会であります。このような社会では、情報通信技術の進歩を受けた高度情報化社会の進展に伴い、利潤を生 み出す「差異」の性質の変化が鮮明になっていることが指摘さています。
高度情報化社会は、生産物が持つ実体的な利用価値が利潤を生むのではなく、 差異そのものを売ることが利潤を作り出す「情報の商品化」の時代の到来であると、 論じている。そこでは、消費の効用の評価も、五感に通じて得られる実体的な価値の 大きさ、たとえば、「うまい、心地よい、便利だ、楽だ」などの基準から離れ、それに 代わって、他者とは違うという感覚を覚醒させる「差異化された情報」の価値が、モ ノの値段を決める重要な要素となっている。”  岩井克人「二十一世紀の資本主義論」(筑摩書房・ちくま文芸文庫)
 

決してマーケッティングや広告の技術を否定するものではないですが、問題は、情報の 差異化が目的化し、「変化」の過剰な演出が人々を駆り立て、生産物の実体的価値から あまりにも離れたところでモノの価値が金銭的にはかられることであります。実体的なものに関してはそれを作り出すという過程で値段が決定されるのですが、情報に関してはそうした基準がないので、判断がとても難しいです。二年くらい前に、前に使っていたブログで「有料オンラインコンテンツに価値があるかどうか」というテーマで記事を書いた時に、有料コンテンツのバリューというのは、無料コンテンツとの違いや、ギー・デゥボールが主張する価値が市場のイメージで作られていると記したのですが、これも基本的には実質的な価値がないものを社会や消費者が意味付けしていく主たる例だと思います。
 

有料コンテンツに関する誤解

 

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情報にお金を払う時は「それ本当に必要な情報?」と一歩立ち止まって自ら問うことが必要かもしれません。

 
ではでは、みなさん良い週末を。